塗装工事には、必ずと言っていいほど足場工事が含まれています。危険を伴う作業に関して足場の設置をお願いしています。まれに費用を削減するために足場なしでお願いされますが、状況次第では作業をお断りさせて頂いてます。金額も設置箇所の広さに応じて安くはありません。なぜ足場工事が必要なのでしょう?
職人の安全確保のため
足場があると言って、100%安全というわけではありません。2021年度厚生労働省の労働災害発生状況による建設業全体の死亡者数288人、全産業の33,2%を占めています。288人のうち『墜落、転落』死亡者110人、死亡災害の4割を占めています。
労働災害統計に含まれない、個人経営の一人親方などの年間死亡者数94人、そのうちの66%の62人が『墜落、転落』で亡くなっています。
足場からの墜落、転落での110人のうちの13人、11,8%の約2割を占めています。安全な足場環境の確保が悲惨な事故を防ぐ有効な手段の一つとなっています。
安定した場所での塗装の品質保持のため
二連ハシゴや脚立での作業ができないわけではありません。平坦な場所ばかりではなく、安定が悪い場所では作業効率も下がり、『墜落、転落率』も高くなります。それに加え、塗りむらや、塗り残し、ばらつきの塗布量と、塗装の品質も損なわれてしまいます。足場は、塗装をしっかりと施工するためには、欠かせません。
ご近所への水、塗料や埃などの飛散防止のため
足場が設置されると、外周に飛散防止ネットがはられます。高圧洗浄の水の飛散や、埃、塗料の飛散を防ぐのに役立っています。特に近隣の方へのトラブルを防ぐためにも足場は設置されます。
労働基準法での決まり
高さが2メートル以上の箇所で作業を行わせる場合には、墜落災害を防止するために足場を組み立てる等の方法により、作業床を設けなければなりません。足場の設置により作業床を設けるのが困難な場合には、防網を張り、安全帯を仕様させる等墜落を防止するための措置を講じなければなりません。(労働安全衛生規則第158条)
足場費用の面積×単価
足場の計算方法です。約30坪の2階建て(90m2)の例です。家の外周を図り、足場は外周よりも大きく計算されます。
足場の平米単価は、600円〜1,000円ほどで、飛散防止ネットは100円〜200円です。
例として、足場平米単価 800円 飛散防止ネット 150円で算出します。
この場合は、9+5+9+5=28m 建物の外周は28mです。
足場は建物から、0,5m(50㎝)ほど離して設置します。各面に両サイド1mずつ足します。
この場合4面あるので4m足します。
28m(建物外周)+4m=32m(足場外周)
家の高さを6mに0,5mを足して6,5mを足場外周に掛けます。
32m(足場外周)×6,5m=208m2 となります。
足場代は 208m2 × 800円/㎡ =166,400円
飛散防止ネット 208㎡ × 150円/㎡ =31,200円
合計 197,600円
足場は無料にはなりません
『足場代無料!』に、お気をつけください。
国家資格の足場の組み立て等作業主任者をもつ業者に依頼しています。専門の知識のいる足場、組み立て、解体するには知識や経験、安全性や作業のしやすさ、足場を組む会社によっても組み方は変わってきます。
足場組み立て費用には、足場を運ぶ運搬費、施工費、解体費、立地条件によってはガードマン費用などが含まれています。その工程内容にかかる費用が無料にはなりません。
外壁塗装、屋根塗装は八王子の塗創建にお問合せください。