外壁塗装や屋根塗装の工事は、長年住んでいる住宅でもそう頻繁に経験することではありません。
そのため、いざ工事が必要になった時には、塗装業者にすべて丸投げするしかないのが一般の方の実情ではないでしょうか。
しかし、正しい塗装工事の方法を知っておくことは大切です。
たとえば、外壁や屋根の塗装工事では何回重ね塗りするのか、ご存じでしょうか。
外壁や屋根の塗装工事は3回塗りが基本
先ほどの問いに対して、「1回塗ればいいんじゃないの?」と思った方は注意が必要です。
日曜大工での小さな家具の塗装ぐらいなら1回塗っただけでも大丈夫ですが、外壁や屋根などの直接外部環境にさらされる部分の塗装は、1回ではとても足りません。
雨風や紫外線に耐えられるだけの塗膜を作るには、3回塗りが基本なのです。
塗装業界では、1回目の塗装を「下塗り」、2回目の塗装を「中塗り」、3回目の仕上げの塗装を「上塗り」と呼びます。
下塗り、中塗り、上塗りのセットが基本です。
塗装業者だけでなく、塗料メーカーでも、この3つのセットを基本にしています。
場合によっては4回以上重ね塗りすることもありますが、業者から2回以下を提案された時は、手抜きを疑った方がよいでしょう。
外壁・屋根塗装における下塗りの重要性
1回目の塗装「下塗り」とは、すべての工程においても非常に重要な部分です。
下塗りといっても、いきなり塗装していくわけではありません。
その前に、まず外壁や屋根の表面の汚れを高圧洗浄で落とし、ひび割れなどを補修します。
そうやって塗装面をきれいにしてから、ようやく下塗りです。
下塗りは、以前に塗装されていた塗膜の効果を打ち消すとともに、この後に重ねて塗っていく中塗り、上塗りの塗料をしっかり吸着させるために行います。
下塗り次第で塗装全体の寿命が変わりますので、絶対に省略されない工程です。
戸建住宅の場合、プライマーやシーラーと呼ばれる塗料を用います。
これらは、劣化した外壁や屋根の表面が、上から塗る塗料を吸い込んでしまわないようにするための下地用塗料です。
その種類は、外壁や屋根の素材、中塗りや上塗りで用いる塗料との相性によって決まります。
微弾性フィラーやサーフェイサーといった種類があり、たとえばひび割れの生じやすいモルタルの外壁の場合は、厚みが出る微弾性フィラーが用いられるという具合です。
下塗りでは塗るだけでなく、乾燥させる時間が重要です。
外壁や屋根の素材、環境によって乾燥時間は違い、塗料の種類ごとにメーカー指定の推奨乾燥時間があります。
塗料によって、3時間以内で乾燥するものもあれば、それ以上乾燥させる必要があるものなど、さまざまです。
いずれにせよ、下塗りした塗料が完全に乾燥するまでは、次の工程に進めません。
もし完全に乾燥する前に中塗りに進んでしまうと、色ムラや塗膜の剥がれなどが起こりやすくなってしまいます。
なお、下塗りが必要なのは、外壁や屋根のみではありません。
破風や軒天などの付帯部分にも塗装が必要です。
塗装業者に見積もりを依頼する時に、付帯部分の塗装についても確認しておくとよいでしょう。
外壁・屋根塗装における中塗りと上塗りの役目
2回めの中塗り、3回目の上塗りは、呼び方こそ違いますが、どちらも仕上げのための塗装です。
そのため、業者によっては中塗りと上塗りと分けて表記せず、上塗りを2回というふうに見積書に記載している場合があります。
中塗りと上塗りに異なる種類の塗料を使うこともありますが、同じ種類の塗料を使うケースもよくあることです。
そのため、上塗り2回と表記されることも多いのですが、中塗りと分けて表記する場合と塗装内容自体に違いはありません。
どちらも同じ塗料を使うのなら、なぜ2回ではなく、3回も塗装が必要なのかと疑問に感じるのではないでしょうか。
それは塗膜の耐久性を高めるためです。
中塗り、上塗りと下塗りに2回重ねて塗ることで、塗膜がムラなく均一に広がって、塗装の耐久性がアップします。
中塗りと上塗りに用いられる塗料にもさまざまな種類があります。
ウレタン、シリコン、フッ素系の塗料が多いですが、最近では断熱性を高めた塗料や、光触媒塗料というセルフクリーニング効果を持つ塗料なども人気です。
ただし、どんな塗料が最適なのかは、塗装する外壁や屋根の素材や状態、環境、予算などによって変わります。
一般の人が最適な塗料を見極めるのは難しいので、塗装業者に診断してもらった上で、こちらの予算を伝えて最適なものを選んでもらうようにしましょう。
外壁・屋根塗装は信頼できる塗装業者に
このように、外壁・屋根塗装の基本は3回塗りです。
ただし、基本というだけで、絶対ではありません。
素材や状況によっては4回塗りが必要なこともありますし、塗料の種類によっては2回で3回塗りと同じ効果を持つものもあります。
いずれにせよ専門的なことなので、信頼できる塗装業者に一任するのがいちばんです。
八王子市で外壁・屋根塗装のことなら、お気軽に塗創建にご相談ください。